インドのエレベータで、忘れられない思い出がある。
去年、インドのプネにいたときの話だ。
プネやムンバイのようなインドの都市部には比較的モダンなビルがものすごい勢いで建設されており、もちろんそういうビルはエレベータを完備している。 インドのエレベータはデザインは画期的!というくらいすごいのだが、機能はもうハチャメチャでなのだ。日本人の感覚からするとありえないエレベータなのである。
まず、エレベータに乗るとき。
日本では上か下の矢印のあるボタンを押す。それだけでだれでも簡単に乗れる。
ところがインドのエレベータは違う。 ボタンなどない。 なんだか無茶無茶かっこいいセンサらしきところをとりあえず、こするのである。
光センサーか?と思いきや、光センサではない。指の腹を接触させてこすらなければ、反応しないのである。大勢の人が使ってセンサ部が汚れていたりすると、やっぱり使えなくなってしまうことなんかもあ。うまく反応させるにはかなりコツが必要で、実際エレベータを呼べるようになるまで、僕の場合1ヶ月はかかった。
そんなことだから、インドでエレベータに乗ろうと思ったとしても、実際に乗れる確率というのは40%くらいだっただろうか。
たまに、インド人の警備員さんに、(エレベータが動いていても)今日は乗れないよ、なんて挨拶代わりに言われることさえあった。
そして乗るとまたまたびっくりである。
真っ黒な巨大電卓(デザインはとってもかっこいい) が壁に”どん”と備え付けられているのである。巨大電卓の大きさは僕のひざ上くらいから、目の高さくらいまであるのだ。 で、そのビルが4階建てだろうが、5階建てだろうがかまわず、”0”から”9”までの数字がある。そして、”-”やら”*”まであった。当然、意味もなく計算をして遊びました。 (残念ながら、計算機としては使えないのが痛い。4階で降りたいと、”5” ”-” ”1” とかで4階に止まってくれたら楽しいのに....)
そしてとどめはファン(扇風機)だ。
インドは若干暑いので、エレベータの天井にファンが付いている。エレベータのドアの隣あたりにボタンがふたつ並んでいて、確か緑と赤だったと思うが、緑のボタンのところには小さく”fan”と書かれていることがある。そのボタンを押すと天井のファンが回りだし、エレベータという密室でインド人に囲まれて、蒸し暑いときなど多少暑さを緩和してくれるのである。(ちなみにインド人、バスの乗り方や電車の乗り方をみてるとわかると思うか、ギュウギュウ詰めになるのが日本人より得意である。)
問題はこのファンを止めるときだ。年がら年中停電のあるインドでは省エネのため、極力ファンは止めるらしい。なので、それほど暑くなくなったらファンを止めなければならない。で、その止め方。緑のボタンと並んで、同じ大きさの赤のボタンがあり、よく見るとそこに”STOP”とかかれていたりする。
さあ、あなたならどうやってファンを止めるだろうか?
正解は、”緑のボタンをもう一度押す”なのである。 赤のボタンを押してしまったら最後、間違いなくパニックに陥るでしょう。 実際僕も、インドの高級デパートのエレベータで間違って赤のボタンを押してしまったことがある。 本当に焦った。
赤のボタン、それは、エレベータのPOWER STOPのボタンだったのである。
ありえない。
しゅーん、という音とともに、明かりが消え、閉じ込められてしまうのだ。完全に密室。
何が起こったのかわからず、とにかくパニクッた。 焦った。 扉の向こう側、数メートルのところでは普通にインド人の家族連れが楽しそうに買い物をしているというのに、ドアをはさんでこっちでは、ああ、ここ飢え死んでしまうのか?!、と、必死になっているのだ。 あちこち探したがどうがんばっても外界との連絡手段はみつからない。 緑のボタンや赤のボタンを押しても、もううんともすんとも言わない。
もう駄目だ、とあきらめたその直後、すーと、ドアが開いた。
そのとき、乗ってきたインド人の女の子の顔が天使に見えたのは言うまでもない。
インドのエレベータ、恐るべし である。
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3 comments:
恐るべし印度!!!
そして愛すべき印度!!!です。 :)
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